糸満大綱引き
糸満市には年一回面白いイベントがあります。その名も「糸満大綱引き」。
これはどんなイベントなのかというのをこれから説明します。
糸満大綱引きは豊年と大漁祈願、家内安全、無病息災を祈る神事で、南北に分かれた雌雄の綱の結合によって実りを予祝し、勝負の結果で吉凶を占う行事です。
綱作りに用いられる稲藁(わら)は総重量で約10トン、綱の太さは結合部付近が最大で直径1.5メートル、長さは雌雄合計180メートルにも及び、県下でも最大級を誇り、他の地域では祝祭日に行われ観光化されていますが、糸満では古式伝統を遵守し、毎年、旧暦の8月15日に行います。そのため、行事自体を別称でハチグヮチ・ジュウグヤー、またはジュウグヤーとも呼んでいます。
当日は、午前8時30分から国道331号の白銀堂と糸満ロータリー間を交通規制して、大綱作りが行われます。?大綱は雄綱(ウージナ)、雌綱(ミージナ)からなり、2週間前に字糸満の10の区で作られた大口綱とハクガキ綱を寄り合わせ、南組、北組が毎年交互に雌雄の綱を約3時間かけて作り上げます。?大綱引きのまえに「道ズネー」と呼ばれるパレードが午後2時から開始されます。?道ズネーは、「ゆがふう」、「かりゆし」の旗頭を先頭に約2千人の市民が参加して、糸満小学校を出発して、舞踊や歌、子どもエイサー等を沿道の観客に披露しながら、白銀堂までの約2キロメートルを練り歩きます。
ミチズネーが終了する午後5時からいよいよ大綱引きの開始です。?南北両陣営から支度(シタク)と呼ばわれる伝説上の人物に扮した若者(イチマンマギーとマカビチャーン)が戸板に担がれて登場します。? 綱の中央で対峙して、それぞれの陣営の士気を高めます。にらみ合いが済んだら綱引き本番となります
綱引きの競技時間は30分とし、勝敗は一方に10メートル引いたら勝ち、時間内で10メートル引けないときは、2メートル以上引いた方が優勢勝ち、双方2メートル以上引けない場合は引き分けとなります。?以前は4間(7.2メートル)で勝ち、三尺(90センチ)で優勢勝ちとされていました。? 綱引きの方法も南北両方が一斉に引き合うのはほんの数分で、相手方が引いている時は、綱に乗って座ったりして休みながら重量をかけ引かせないようにして、疲れてきた頃合いを測って引き返したりと、双方で駆け引きを行うなど、他にない特徴があり、戦前(昭和21年以前)は時間制限がなく勝敗が決するまで何時間でも引き合っていたと言います。
毎年、旧暦8月15日には、大綱が引かれます。どなたでも引くことが出来ます。この日に合わせて糸満を訪れるというのはいかがでしょうか。